タイのお寺に魅せられて  ~タイ百寺巡礼ログ~

タイのお寺が好きなLuna(流転那)(旧@yayoi)です。タイで大きく人生が変わりました。タイを起点にアジアのお寺や仏像を研究中!

12番 ワット・プラゲーウの影にかくれて... 自分と仏教とに向き合うための静かなお寺

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ワット・マハータート バンコク

 

 

サワディーカー。

@yayoiです。

 

このお寺は正式名称を、ワット・マハータート

ユワラートランサリットラーチャウォラマハー

ウィハーンといい、通称ワット・マハータートと

呼ばれています。

 

タイにはどうやら、ワット・マハータートとつく

名のお寺がたくさんあるようで、その代表的な

ものには、アユタヤへ出かければ必ず見たい

お寺の一つ、木の根でおおわれた仏頭で有名な、

アユタヤのワット・マハータートがあります。

 

マハータート(มหาธาตุ)というタイ語は、

マハー(มหา偉大な)とタート(ธาตุ 仏教語で仏舎利

とか舎利骨のこと)で、偉大なる仏舎利という

ことになります。

 

 

 

 

お寺の名前に注意!改名に改名を重ねた寺!

 

 

 

このお寺がある地区は、王宮の近くで、観光客が

必ず訪れたいと思うお寺、ワット・ポーや王室の

仏間であるワット・プラゲーウなどがあり、

近くにはタマサート大学やシラパコーン大学と

いった大学もあるので地元の人も含め、かなり人が

多い地域ではあるのですが、このお寺に入ると

別世界。とても静かな時間が流れていることが

わかります。

そこでこの記事のタイトルを、ワット・プラゲーウ

の影にかくれて...としました。

今やワット・プラゲーウを訪れる人はかなりの人数と

なっていて、静けさは期待できないからです。

 

北門にあるお寺の表示です。

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入った門を所です。ここから入って行きます。

朝早い時間に行きました。逆光です。

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入ってすぐ左手に見える建物です。

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屋根飾りは、見える顔の様なものはカーラと呼ばれる

門番。

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右手側には、サーラ―(あずまや)があります。

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スラシンハナート副王が祀られています。

このお寺を修復した副王です。

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このお寺はアユタヤ時代に建てられたと推測されて

いて、元の名をワット・サラック(วัดสลักといい、

だれが建てたのかは不明だそうです。

KingRamaⅠの時代に現在まで続くラッタナコーシン

朝(またはチャクリー朝)が王都として成立した時、

住居として王宮ができ、スラシンハナート副王の

お住まいもできて、このお寺はちょうど、王宮と

副王宮の間に位置するお寺となりました。

 

副王は1786年にこのお寺を修復し、お寺の名前を

ワット・ニッパーナーラーム (วัดนิพพานาราม)

改名されました。

副王のお住まいだったところは現在、タマサート

大学、バンコク国立博物館、国立劇場、道路などに

なっています。

確かに現在のグーグルマップでみても、タマサート

大学やバンコク国立博物館のある地域とワット・プラ

ゲーウの中間あたりに位置しているのがわかります。

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その後、1788年にKingRamaⅠによって仏典結集が

行われ、お寺の名前は、ワット・プラシーサンペット

(วัดพระศรีสรรเพชญ์)と改められ、さらに1803年に、

仏舎利が安置されているアユタヤ時代のお寺にちなん

で、ワット・プラシーラッタナマハータート

ラーチャウォラマハーウィハーン

(วัดพระศรีรัตนมหาธาตุราชวรมหาวิหาร)に改名されました。

 

 

バンコクで最初の王室仏教寺院!

 

 

 

その後のKingRamaⅤの統治下は、このお寺は王族の

火葬の儀をするお寺だったようです。

1894年に7歳で他界されたKingRamaⅤの王太子で

あるワチルンナヒット王太子の葬儀のための建物の

建設が始められたようですが、葬儀の儀はワット・

ブワンサターンスッターワート(วัดบวรสถานสุทธาวาส)

で行われたようです。

 

また、1889年ころにはここにパーリ語の大学が設置

され、ワット・プラゲーウから必要な経典が移され

高度な経典の学習専用のマハーチュラロンコン

ラーチャウィタヤーライという大学(本部)が

置かれました。

 

1896年に再び修復されたお寺は亡くなった王太子を

しのんで、その名をワット・マハタートユワラート

ランサリットラーチャウォラマハーウィハーン

(วัดมหาธาตุยุวราชรังสฤษฎิ์ ราชวรมหาวิหาร)とされ、

ラッタナコーシン朝初めての王室寺院となって

います。

お寺の名前が5回も変わったのですね。

 

いよいよここからがお寺の伽藍といいますか…

本堂を中心に回廊で囲まれているお寺の内部に

入るところです。

その入り口から少しお寺の様子がうかがえます。

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入ると左右が回廊になっています。

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左手側です。

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右手側には僧侶がいて、お願いするとお経をあげて

くださいます。僧侶はちょうど仏像の影にかくれて

座っていらっしゃいます。

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回廊をぬけると右手側の建物が本堂で、正面が仏舎利

を祀った仏堂があるお堂です。左手側は仏像が祀られ

たお堂。本堂、仏堂、お堂の順に参拝しました。

本堂の入り口と逆側の方から入って来た形になり

ます。

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本堂の横の壁にある、この扉からも入れますが、

この日はちょうどタイでいうところの “仏の日” で

たくさんの人が中にいらっしゃって横からは入れ

ませんでした。

たまたま訪れた日は3月13日。漢字では初七とあり

ますが、(月が新月🌑に向って七日目)お寺にはって

あったカレンダーには赤で仏の絵が印刷されて

います。

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本堂の入り口にまわるまでに窓からちらっと中を

のぞいてみました。ブッダの横顔がみえます。

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本堂に入り、後ろ側から全体を撮りました。

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ちょっとズームして撮りました。

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ご本尊に近寄れないので、ご本尊にズームして

大きく撮影しました。

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 スラシンハナート副王の大切なもの!

 

  

 

本堂を後にすると、すぐ目の前のお堂には、

仏舎利を祀った仏堂があります。

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このお堂の屋根飾り。珍しくシンプルです。

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入口からみえた仏堂です。

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仏堂はタイ語でモンドップ(มณฑป)といいます。

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上の部分にズームして撮りました。

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この仏堂の周りを一周することができるのですが、

ぐるっと仏像が祀られていて、仏堂は仏像に

守られています。

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仏堂の正面はこちらでしょうか…

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唱えるお経がタイ語で。

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そして、英語ではお経の一部と説明書きが。

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東西南北に祀られた数々の仏像。

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スラシンハナート副王の大切なのものは、仏舎利が

祀られたこの仏堂だけでなく、スコータイやスワンカ

ローク、ピッサヌロークにロップリーなどから持って

きた仏像など28躰を祀る建物が、本堂と礼拝堂の間に

あったようですが、火災にあい、本堂や礼拝堂と

ともに燃えてしまったようです。

現在残っているものは新しく作ったり、修復された

ようです。

 

これは、タイのお寺でよく見かけるクメール様式の

建築物ですが、プラーン(ปรางค์)といって、宇宙の

中心、須弥山を表したもののようです。

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お堂にはまだまだ仏像が!

 

 

仏堂を真ん中にはさんで、本堂と並行して立っている

お堂にもたくさん仏像が祀れていました。

そのお堂の前です。

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お堂の入り口です。

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お堂の後ろ側から全体を撮りました。

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ちょっと近寄って撮りました。

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壁際にもたくさん祀られています。

左側の壁際です。

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右側の壁際です。

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夜には明かりを灯してくれるようです。

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このお堂からでて、お寺をでようと、もと来た回廊の

出入り口の前にくると僧侶たちの姿が見えました。

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僧侶たちだけでなく、このお寺は、白い作務衣の

修行中の女性の姿をたくさん見かけました。

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私達を見ると、観光で訪れる人が珍しいのか、数回

声をかけて下さいました。剃髪の方もいらっしゃい

ました。

 

私も二泊三日でノンタブリーという県に昨年、

修行に行ったことがありましたが、その時に、普段は

なんて音のある騒がしい世界で生活しているの

だろうとつくづく感じたことを思い出しながら、

お寺をあとにしました。

 

 

<ワット・マハータート>

 

 

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正式名称 วัดมหาธาตุยุวราชรังสฤษฎิ์  

     ราชวรมหาวิหาร

     ワット・マハタートユワラート

     ランサリットラーチャウォラ

     マハーウィハーン

     タイ王室寺院第一級に格付けされて

     います。

 

 所在地  3 ถนน มหาราช แขวง พระบรมมหาราชวัง เขต พระนคร

      กรุงเทพมหานคร 10200

     3 Maha Rat Rd, Khwaeng Phra Borom Maha

        Ratchawang, Khet Phra Nakhon,

     Krung Thep Maha Nakhon 10200

 

ウェブサイト watmahathat.com

 

 

今回は

ワット・マハタートのウェブサイト(タイ語)

http://www.watmahathat.com/history-of-wat-mahathat/

 Dhammathaiのウェブサイト(タイ語)

http://www.dhammathai.org/watthai/bangkok/watmahatat.php

 

及び、Wikipedia 日本語版のワット・マハータート

ユワラートランサリットを参考にして書きました。

 

お読みいただき、ありがとうございました!

 @yayoi