タイのお寺に魅せられて  ~タイ百寺巡礼ログ~

タイのお寺が好きなLuna(流転那)(旧@yayoi)です。タイで大きく人生が変わりました。タイを起点にアジアのお寺や仏像を研究中!

22番 お参りすれば勝てるというお寺

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ワット・チャナソンクラーム バンコク

サワディーカ。

@yayoiです。

 

このお寺を初めて訪れたのは2009年のこと。

新年の9寺巡りの一つとして、タイ人の友人達と

訪れたのですが、その時に、この御本堂にある

仏像がとても神通力がある仏像として有名で、

これを信じる人達が、寺の名の通り

全ての障害に打ち勝つ霊感を与えてくれるように

願い事をしに来るお寺となったと聞きました。

 

お寺全体の印象は、派手さはないけれど

そういった理由でこんなにもたくさんの人が

手を合わせに来るのだなと思った記憶があります。

 

6人くらいで行って、私は初めて僧にお供え物をして

お経をあげていただくという経験をした

思い出深いお寺です。

当時、一緒に行った友人の一人にお供え物を

持ってもらって撮った写真です。

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その後、2011年にもまた新年の9寺巡りの

一つとして、訪れたのですが、9寺巡りだと

あわただしいので、いつかゆっくり行こうと

思っていたところ、今年2019年になってやっと

実現しました。

 

ジャクラポン通りに面していて、目の前には

きれいなブルーの一軒家スターバックスがあります。

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隣にはヘビが巻き付いた建物、こちらは神社です。

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ここから入ります。

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田野の中の寺が戦勝寺に!

   

このお寺はもとはアユタヤ時代から田野の中に

あったため、ワット・クラーンナー

(วัดกลางนา 田の中の寺の意味)と

呼ばれていたお寺ですが、それが

なぜ戦勝寺になったのでしょうか。

歴史を探ってみました。

 

KingRamaⅠがトンブリーから対岸にある

現在のバンコク側に都を移し、王宮を建てたその当時は

まだビルマとの戦争があった時代でした。

 

スラシンハナート副王を軍の司令官とし、

モン人を集めて軍を作ったようです。

モン人をこの辺りに居住させ、モン人の僧を

このお寺に住まわせました。

モン人たちはアユタヤ―やロップリーのモン族の僧が

居住していたお寺の慣習などをまねて、モン語で

ワット・トーンプ วัดตองปุと呼んでいたようです。

 

その後、KingRamaⅠはビルマ戦においてモン人達が

戦力になったことに対する見返りとして

ワット・トーンプをモン族のサンガの

お寺としました。

サンガとは修行僧の集まりを意味します。

 

ビルマとの戦争も終わり、タイに平和が訪れてから、

新しい寺をもう一度建立し、王室寺院として与え、

1785年から1787年の間に3回ビルマに勝ったので、

お寺の名を “ワット・チャナソンクラーム”

としました。

 

ワット(วัด)は寺、チャナ(ชนะ)は勝つ、

ソンクラーム(สงคราม)は戦争の意味。

つまり戦勝寺です。

ここがそのお寺の入り口です。

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入るとまたすぐに小さな門があります。

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まず1番初めに目に入る、御本堂の前にあるサーラ―に

祀られているのは、スラシンハナート副王。

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そのサーラ―(あずまやの意味)を横から撮りました。

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スラシンハナート副王については

以前のブログにも書きましたが、

このお寺の近くにあるワット・マハタートを

修復した副王で、副王のお住まいだったところは

現在、タマサート大学、バンコク国立博物館、

国立劇場、道路などになっていて、

このお寺からもとても近い距離にありました。

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特徴ある造りの御本堂!

  

このお寺の御本堂はちょっと変わった造りを

していると思います。

 

というのも、お堂の裏側から見た方が

わかりやすいのですが、

お堂の周りを囲む廊下のようなベランダはありません。

御本堂を裏側の方から撮りました。

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そして、窓枠は二重のアーチでとても美しいです。

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通常、御本堂の周りに建てられる結界は

御本堂の壁についています。

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外から直接、数段の階段を上がってお堂の出入り口に

入るスタイルです。

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スラシンハナート副王が修復されたワット・マハタートは

造りがとても似ている気がします。 www.yayoi-thainootera.net

 

御本堂の正面の入り口です。

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なつかしい仏像とご対面!

  

神通力があるとして有名な御本尊がいらっしゃる

御本堂ということでワクワクします。

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御本堂は13本の柱で構成されているそうですが、

まず入り口から入ると柱があってその前に

仏像が祀られています。

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その脇から入っていき、御本尊が見える位置で

御本堂全体を後方から撮りました。

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お堂の周りを囲むベランダというか

廊下のようなものは外にはありませんが、

御本堂の周囲が回廊になっています。

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中は柱で構成されていて、柱の周りの回廊部分に

たくさんの仏像が祀られていました。

御本尊を正面に右手側の回廊に祀られている仏像です。

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実は2009年に訪れた時、こちらの仏像が

気になったのか写真を撮っていました。

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再びお会いできて嬉しかったです。

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柱と壁には杭のようなものが渡してあります。

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神通力がある仏像として有名な御本尊!

 

こちらがその御本尊です。

膝の間が約2.5m 高さが3.5mの

右手で大地を指さして悪魔を退散させた

降魔印(ごうまいん)の形のブッダです。

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近寄って撮りました。

御本尊の周りには16躰の仏像が祀られています。

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御本尊を囲む柱と柱の間には壁画があります。

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壁画の後ろはすべてアーチになっています。

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細部が凝った造りになっていますね。

 

 

その御本尊の後ろには...!

  

実は、御本尊の後ろには王族の遺骨の部屋が

あるということなのですが…

御本尊の後ろを抜けることができます。

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斜め後方から御本尊を撮りました。

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またたくさんの仏像が祀られています。

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この御本尊の後ろが王族の遺骨のお部屋だそうです。

白い象牙と黒い象牙、仏像に護られています。

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こちらにも手をあわせ外にでます。

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ここから出ると反対側の回廊にでます。

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反対側の回廊、つまり

御本尊を正面にみて左側の回廊に

祀られている仏像です。

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御本堂の周りには仏足石などの見所が!

 

 

御本堂をでて、裏側にまわると地図があり、

これを見るといわゆるサーラ―といわれる

お堂に囲まれている形になっています。

地図に伽藍配置を書き加えてみました。

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まずは御本堂を正面にみて

むかって左横にあるサーラ―です。

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仏像がたくさん!

ちょっと倉庫のようになっていますが…

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そのサーラ―の後ろには閉まっているサーラ―。

その後ろにはメートラニーの像が。

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ご本堂のちょうど後ろ辺りには仏足石があります。

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仏足石から御本堂の裏側を見ると

屋根飾りがきれいです。

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この仏足石の後ろには門があり、

その門の横に先ほどの全体地図があります。

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門をでると鐘楼があります。

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前回のブログでは、タイ人にとって基本、

仏教のお寺は徳を積みに来るところ...と

書きました。

www.yayoi-thainootera.net

 

しかしながら、神通力のある御本尊には、

何か障害などがある人がそれを避け、

吉祥を求めるようにとやってくる。

このお寺はそんな問題に勝つ、勝利の寺であると

いえるでしょう。

 

 

<ワット・チャナソンクラーム>

 

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正式名称 วัดชนะสงครามราชวรมหาวิหาร

     ワット・チャナソンクラーム

     ラーチャウォラマハーウィハーン  

          タイ王室寺院第二級に格付けされています。

 

所在地  ถนนจักรพงษ์ แขวง ชนะสงคราม เขตพระนคร

     กรุงเทพมหานคร 10200

     Chakrabongse Rd, Chana Songkhram,

                  Phra Nakhon, Bangkok 10200

  

 

今回の記事は

insidewatthaiのサイト

วัดชนะสงคราม ราชวรมหาวิหาร วัดแห่งชัยชนะ @ ถนนข้าวสาร

dhammathaiのサイト

วัดชนะสงคราม ราชวรมหาวิหาร - กรุงเทพมหานคร : เว็บไซต์ธรรมะไทย

 

それぞれ参考に書いてみました。

お読みいただきありがとうございました。

@yayoi