タイのお寺に魅せられて  ~タイ百寺巡礼ログ~

タイのお寺が好きなLuna(流転那)(旧@yayoi)です。タイで大きく人生が変わりました。タイを起点にアジアのお寺や仏像を研究中!

32番 川沿いの寺に大仏を!(1)トンブリーの大仏で有名なお寺

f:id:at_yayoi:20200521152721j:plain

ワット・カンラヤーナミット トンブリー 

 

サワディーカー。

@yayoiです。

  

このお寺を初めて訪れたのは今から10年前。

タイ人の友人と新年の9寺巡りをした時で、

夕方ぎりぎりに行った最後のお寺ということで

私にとって想い出のあるお寺です。

 

その日、このお寺を訪れてから最後にもう一か所

行ったのは神社で、私がバンコクで最も

好きな場所。建安宮でした。

建安宮について書いた記事です。

thai-yayoi-buddhism.hateblo.jp

 

その後も9寺巡りでここを数回訪れましたが

9寺巡りのうちの1か所だとゆっくり見られないので、

昨年2019年に、友人と時間をかけて訪れました。

 

今回の記事は撮影の日付をいれていないものは

2019年12月に訪れた時に撮影したものです。

でもこの時も他のお寺の後に行ったため

なぜか私がこのお寺を訪れるのはいつも夕方。

 

9寺巡りの時は船で出入りしたのですが

初めてタクシーで行ってみました。

この路地を入って行きます。

f:id:at_yayoi:20200521151507j:plain

 

やっと見ることができた三門。

交通量が多くて、

通りの向こうに渡れなかったのが残念。

f:id:at_yayoi:20200521151535j:plain

 

門の足元には獅子がいます。

f:id:at_yayoi:20200521151522j:plain

 

三門をくぐってから撮りました。

f:id:at_yayoi:20200521151457j:plain

 

ちょっと歩くとお堂が見えてきました。

f:id:at_yayoi:20200521150628j:plain

 

 

  

 

川の方からお堂を眺めてみる!

  

三門から入って行きましたが、

川の方には仏塔などもあるので

まずは川の方に行って見ました。

チャオプラヤー川です。

カバー写真はこの川を船で移動した時に

撮ったものです。

f:id:at_yayoi:20200521150554j:plain

f:id:at_yayoi:20200521150700j:plain

 

川から来るときは

船着場からこの門をくぐって敷地に入ります。

f:id:at_yayoi:20200521151610j:plain

(2015年7月撮影)

 

川を背にお堂と仏塔を撮りました。

左のお堂が御本堂。中央が大仏を祀ったお堂。

右側にも礼拝堂があります。

f:id:at_yayoi:20200521150712j:plain

 

仏塔のあるところは船着場から入ってきたところで

広場の様になっています。

ここは駐車場にもなっています。

中央にあるのは中国から来た石の仏塔。

“タ(ถะ)”といわれる仏塔で

中国様式の宗教美術です。

f:id:at_yayoi:20200521150725j:plain

 

別の角度から撮りました。

f:id:at_yayoi:20200521150547j:plain

  

川から見て向って左手側の方にも仏塔があります。

f:id:at_yayoi:20200521150805j:plain

  

川からお寺の敷地に入るのには

三か所の入り口があります。

仏塔の横に通路があり、これは川から見ると

向かって左手側の入り口。

f:id:at_yayoi:20200521150820j:plain

 

向かって右手側の入り口は礼拝堂の前にあります。

f:id:at_yayoi:20200521150739j:plain

 

今回は中央の入り口から入ります。

f:id:at_yayoi:20200521150833j:plain

f:id:at_yayoi:20200521150845j:plain

  

入るとさらにお堂の手前に門があります。

f:id:at_yayoi:20200521150858j:plain

 

門のまわりには左右にサーラ―が4つあって、

仏像などが祀ってあります。

f:id:at_yayoi:20200521151829j:plain

  

ここには以前は別のサーラ―が二つ建っていました。

2015年7月に撮影したものです。

f:id:at_yayoi:20200521151619j:plain

f:id:at_yayoi:20200521151633j:plain

  

遡って2011年1月。

サーラ―の破風の部分の色が水色でした。

f:id:at_yayoi:20200521151555j:plain

 

さらに遡って2009年1月。

f:id:at_yayoi:20200521151804j:plain

f:id:at_yayoi:20200521151743j:plain

f:id:at_yayoi:20200521151754j:plain f:id:at_yayoi:20200521151759j:plain

 

 

“三宝公”信仰のお寺の一つ!

  

このお寺の歴史を探ってみると

お寺を建てたのは、お寺の名前にもなっている

カンラヤーナミット一族の始祖であり、

内務大臣でもあった

チャオプラヤー・ニコンボディンという方で

家を捧げ、近くの土地を買い、

1825年にお寺を建てました。

 

KingRamaⅢに献上したことで、

ワット・カンラヤーナミットの

名前を賜り、王室寺院となりました。

KingRamaⅢは小さな礼拝堂と御本堂の中間、

ちょうどお寺の中心にお堂を建て、

御本尊と大仏を造られたそうです。

 

そのお堂、とても大きくて川の方から見ても

ひときわ目立ちます。

f:id:at_yayoi:20200521151547j:plain

 

手前の建物から屋根がとび出ていて

高さもあるのが遠目にもわかります。

f:id:at_yayoi:20200521151823j:plain

 

お寺の敷地内で撮りました。

f:id:at_yayoi:20200521151221j:plain

 

お堂を裏側から撮りました。

f:id:at_yayoi:20200521150640j:plain

 

段差の小さい階段を数段登ると

左右にお堂の入り口があります。

f:id:at_yayoi:20200521151001j:plain

 

向かって左側の扉から入ります。

f:id:at_yayoi:20200521151014j:plain

 

その扉の左手側にある小さな通用門。

f:id:at_yayoi:20200521150612j:plain

 

入口からすでに見えている大仏!

f:id:at_yayoi:20200521151028j:plain

 

階段を降りて行きます。

中の階段はちょっと段差があります。

f:id:at_yayoi:20200521151054j:plain

 

素晴らしいルワンポートー(大仏のこと)。名前は

プラプッタ・トライラッタナ・ナーヨックです。

f:id:at_yayoi:20200521151041j:plain

 

この名称はKingRamaⅣが送った名称だそうです。

プラプッタとは崇高なるブッダを表し

ナーヨックには長、首長のような意味があります。

トライラッタナとは、仏教における

三宝のことで、仏、法、僧です。

タイのお寺で人々が三回頭を下げるのはこの

3つに頭を下げているのです。

 

この辺りには中国人や中国人の僧侶たちが

住んでいたところで、大仏は特に中国人の村人に

崇拝されていました。

 

中国式の呼び方は、

“ サムポーフットゴン(ซำปอฮุดกง) ”

“ サムポーゴン(ซำปอกง) ”で、三宝(佛)公です。

 

この三宝公とは、

中国の明朝の廷臣であった鄭和という人で

東南アジアに住む中華系の人達が

自分たちの祖先として信じ、この大仏とともに

信仰の対象としているそうです。

 

2015年7月に撮影したものです。

f:id:at_yayoi:20200521151654j:plain 

f:id:at_yayoi:20200521151715j:plain

f:id:at_yayoi:20200521151725j:plain

f:id:at_yayoi:20200521151735j:plain

  

この大仏は、アユタヤの

ワット・パナンチューンの御本尊を

まねて鋳造されました。

ワット・パナンチューンと同じように川沿いに

大仏をもたらすという目的もあったようです。

 

2009年1月、初めて訪れた時に

撮影したものです。

f:id:at_yayoi:20200521151808j:plain

f:id:at_yayoi:20200521151818j:plain

  

初めて訪れた時にはお堂内にこんな大きな

仏像が祀られているとは夢にも思わず、

入って見て、あまりの大きさにびっくりしたのを

今でも覚えています。

 

三宝公信仰のお寺は

このお寺のほかにあと二つあります。

チャチュンサオ県のワット・ソートーンと

もう1つはまねたと言われている大仏がある

アユタヤのワット・パナンチューンです。

 

 

御本堂にも珍しい形態の御本尊が!

  

川の方から向かって見て

大仏が祀られているお堂の左側には

御本堂があります。

f:id:at_yayoi:20200521151233j:plain

 

御本堂の周りに置かれている結界です。

f:id:at_yayoi:20200521150620j:plain

 

お堂の入口です。

入り口の横にも仏像が祀られています。

f:id:at_yayoi:20200521151246j:plain

f:id:at_yayoi:20200521151258j:plain

  

入ってすぐお堂の後ろの方から撮りました。

ちょっと神秘的な雰囲気です。

f:id:at_yayoi:20200521151311j:plain

 

御本尊に近づいて撮りました。

f:id:at_yayoi:20200521151323j:plain

 

パーリライというKingRamaⅢが造られた

石の立方体に座った形の仏像です。

右手は上に向け、左手は膝の上に置いています。

f:id:at_yayoi:20200521151401j:plain

 

お堂の柱は当時のものが残っているのでしょうか…

f:id:at_yayoi:20200521151429j:plain

 

窓は修復された感じですが…

f:id:at_yayoi:20200521151349j:plain

 

御本尊を真横から撮りました。

f:id:at_yayoi:20200521151414j:plain

 

 

礼拝堂の方には壁画が!

  

もう一つお堂があって、

川から見たら大仏殿の右側には礼拝堂があります。

礼拝堂を裏側から撮りました。

f:id:at_yayoi:20200521150533j:plain

 

お堂の入口です。

f:id:at_yayoi:20200521151117j:plain

 

お坊さんがいらっしゃったので後ろから

ひっそりとお堂全体を撮りました。f:id:at_yayoi:20200521151208j:plain

 

礼拝堂に祀られている仏像です。

f:id:at_yayoi:20200521151143j:plain

 

壁画が描かれています。

仏教の歴史やKingRamaⅢ時代の村人の

生活などが描かれているそうです。

f:id:at_yayoi:20200521151155j:plain

 

 

名誉あるこのお寺のある建物とは…?!

  

このお寺の特徴のもう一つは

KingRamaⅣの時代に三蔵と言われる

仏教の聖典を3種に分類したもの、

経蔵・ 律蔵・論蔵を

保存していた建物があるということです。

ホーモンティエンタム(หอมณเฑียรธรรม)経殿です。

f:id:at_yayoi:20200521150526j:plain

 

あとは、タイで最も大きい鐘楼。

1933年に建てられました。高さは約30mです。

この鐘は日本人が鋳造したものだそうです。

f:id:at_yayoi:20200521150540j:plain

 

ブラフマー神が四方向を見ています。

f:id:at_yayoi:20200521150652j:plain

 

最後にもう1度、川の方から撮った大仏殿です。

お堂の前には仏塔もみえます。

実はこの釣り鐘型の仏塔にはこのお寺を造った

チャオプラヤー・ニコンボディンの遺骨が

祀られています。

1899年に建てられました。

f:id:at_yayoi:20200521150753j:plain

 

 

< ワット・カンラヤーナミット >

 

f:id:at_yayoi:20200521162854j:plain

   

正式名称 วัดกัลยาณมิตรวรมหาวิหาร 

       ワット ・カンラヤーナミット

       ウォラマハーウィハーン

      タイ王室寺院第二級に格付けされています。

 

所在地      ถนน อรุณอมรินทร์ตัดใหม่

                    แขวง วัดกัลยา เขตธนบุรี

                    กรุงเทพมหานคร 10600

                    New Arun Amarin Rd, Wat Kanlaya,

                    Thon Buri, Bangkok 10600

 

 

 

 

今回の記事は、

dhammathai.org

site.s.google

resource.lib.su.ac.thなどのサイトと

書籍『アユタヤ』(タイ国トヨタ財団出版)

これらを参考にして書きました。

 

お読みいただきありがとうございました。

@yayoi