タイのお寺に魅せられて  ~タイ百寺巡礼ログ~

タイのお寺が好きなLuna(流転那)(旧@yayoi)です。タイで大きく人生が変わりました。タイを起点にアジアのお寺や仏像を研究中!

タイのお寺で釈尊の生涯にゆかりある樹木を眺める(前編 1)

タイの寺院お庭樹木研究 Ⅵ

 

サワディーカー。

Luna(流転那)です。

 

タイまたは仏教に関連のあるお庭やタイの樹木を

散歩しながら研究するシリーズの

今回の6回目と次の7回目は、ブッダや

仏伝に関係のある植物をお寺の中に見つけて

眺めるという回になります。

 

*1度にアップしようとすると

 更新が滞るので、2025年の今年からは

 1500文字くらいのところで細切れにアップしていき、

 のちに前編後編の2つに編集しようと思います。

 よろしければお付き合いください。

 

 

 

 

ブッダのライフイベントとは

 

仏伝の中でも大切なブッダの一生ですが、

大きなライフイベントと呼べるものは

4つあります。

 

まずは、誕生。

そして出家、解脱、入滅。

 

今回の6回目と次の7回目は、

仏伝の中にでてくる植物を見つける

ということが記事のメインテーマなので、

そのようなライフイベントを時系列に追いながら

樹木にフォーカスしていきます。

 

前編の6回目は、釈尊の誕生から解脱まで、

後編の7回目は、成道後と伝道から入滅まで、

タイのお寺でそれらの植物を探し

それぞれ紹介していこうと思います。

 

なお、このブログ内では、長いこと

呼び名をブッダか、お釈迦様かゴータマ・ブッダか

釈尊か、悩みつつもブッダで統一していますが、

今回のシリーズに限り、前編の記事の

誕生から解脱までは、釈尊と呼ぶことにし、

後編の記事の解脱以降は呼び名をいつも通り

ブッダとすることにします。

ブッダとは、目覚めた人、真理を悟った人の

意味です。

 

 

釈尊の生誕にまつわる樹木

 

まずは、最初のライフイベントである誕生ですが、

釈尊の誕生の際、母である受胎したマーヤー夫人が

里帰りをするのですが、途中、ルンピニー園という

サーラー樹におおわれた森を訪れたそうです。

 

『森の中に進み、咲きほこる無憂樹に近寄り、

 垂れ下がる枝に手を伸ばすと陣痛が起こり、

 右脇腹から釈尊が誕生し、誕生すると

 7歩歩きました。』

 

インドから西域地方を経て、中国

韓国、日本などに伝わった大乗仏教では、

釈尊の誕生の木は、無憂樹だと

言われています。

 

一方、タイをはじめ東南アジアなど、

南インドからセイロンに伝わり、

展開した上座部仏教では、

釈尊の誕生の木は、サーラー樹だと

言われています。

 

私もお寺で出逢ったタイ人によく、

ブッダが生まれた時の木の名前は?と

尋ねてみましたが、サーラー樹という

答えしか返って来ません。

 

ここでは、サーラー樹におおわれた

森の中の無憂樹の木に手を伸ばした

ということにしようと思いますが、

サーラー樹は、入滅の時の沙羅双樹

として、後編で紹介することにして、

この前編での釈尊誕生の樹木としては、

アショーカ樹(無憂樹)を紹介します。

 

アショーカ樹

学名 Saraca indica, Linn. マメ科

和名 無憂樹(む(ゆ)うじゅ)

英名 Asoka Tree

タイ名 ต้นอโศก(トン・アソーク)

バンコクにはアソークという駅もありますが、

タイ語辞書によるとこのアソークは無憂樹。

 

サンスクリット語でアは否定語、ソーカは悲しみという

意味なので、悲しみや憂いがないことという

意味になります。

一方、タイ語のソーク(โศก)自体は悲しみ、悲哀という

意味があると同時に植物の名とも

書かれているのでいずれにしろサンスクリット語

由来の言葉であるようです。

 

 

 

ワット・テープシリンの無憂樹

 

アショカノキと呼ばれるものがもう1つあります。

こちらはバンレイシ科で別の木です。

こちらも無憂樹と呼ばれることがあるそうです。

 

 

少年時代の初めての瞑想

 

釈尊と瞑想と言えば、悟りと菩提樹が頭に

浮かびますが、釈尊の初めての瞑想は、

スッドーダナ王が催した

種まきの祭礼(農耕祭)でのこと。

 

『祭りの間、釈尊はジャンプー樹の木陰で

 農民たちを観察しました。

 釈尊が座っている木の下だけは、

 釈尊を守るように、

 木の影が動かなかったそうです。』

(こちらに描かれているのは少年というより、

 幼児のように見えます。)

 

ジャンプー樹

学名 Syzygium cumini (Eugenia cumini)フトモモ科

和名 ムラサキフトモモ

漢名 閻浮樹(えんぶじゅ)

タイ名 ต้นหว้า(トン・ワー)

 

寺院内で撮った木の写真はなかったので、

寺院内の壁画の中に探しました。

 

 

前編2に続きます。

 

お読みいただきありがとうございました。

Luna(流転那)