
タイの寺院仏像研究 Ⅱ
サワディーカー。
Luna(流転那)です。
タイの仏像と干支、仏像と生まれ月の
次は仏像と曜日です。
曜日の仏像とは
タイでは、曜日の仏像と
呼ばれるものがお寺に祀ってあります。
これは、占星学の信仰に
関連が深いようです。
タイにおいて、占星術は
天体の動きや位置から、
人や社会の在り方をよみとく方法として
重要なものでした。
人生の中で、ある時期を支配する惑星があり
それは一生涯のうちでも時期によって変わり、
その時期にはその仏像を崇拝するという
信仰があったようです。
(例えば、日曜日生まれの人は、
生まれてから6年は、菩提樹を眺める形態の仏像、
次の15年は、洪水を止める形態の仏像、
次の8年は、寝釈迦仏を崇拝するなど)
しかし、現在では、生涯を通して
生まれた曜日の仏像を崇拝する
ということに、重きを置いています。
タイでは曜日ごとに仏像の形態や
色が決まっていて、タイ語で
この一連の仏像を
พระพุทธรูปประจำวัน
(プラプッタループ・プラジャムワン)
曜日の仏像、または
พระพุทธรูปประจำวันเกิด
(プラプッタループ・プラジャムワングーㇳ)
誕生日の仏像と呼んでいます。
*仏像はプラプッタループ(พระพุทธรูป)ですが、
〇〇仏(阿弥陀仏、寝釈迦仏など)と言われるように、
プラ(พระ)と訳されていることもあります。
お寺に行くとお堂内に “曜日の仏像コーナー”
といった感じに、小さな仏像を横一列に
並べて祀っている一角があります。

上団左右、中、下段左右の順で、

上団左右、中、下段左右の順で、
それぞれのお寺のコーナーです。
(お寺の名前をクリックすると
私が書いたお寺の過去記事にアクセスします)
ワット・フワランポーンなどは
もう1か所別に祠の中にも祀ってあります。

ワット・タースンでみかけたのは、
釣鐘の周囲に描かれている
曜日の仏像でした。
二ヶ所にありました。






曜日は7つですが、仏像は9つあります。
水曜日の仏像が昼生まれの仏像と夜生まれの
仏像の2種類あることと、
上の釣鐘にはありませんが、
曜日がはっきりしない人のための仏像が
あります。
日曜日の仏像
日曜日は、タイ語でワン・アーティッㇳ(วันอาทิตย์)。
ワンは曜日です。
日曜の仏像は、Gazing at the Bohdi tree
(ปางถวายเนตร パーン・タワーイネート)
右手を左手に少し重ねるように
両手を身体の前において立つ姿勢。

悟りを得てブッダとなり、
7日間バンヤン樹(菩提樹)の下で
解脱の至福を体験し、
菩提樹の下から出てから
7日間まばたきすることなく、
菩提樹を観察する姿です。
これは、枝や幹が広がり、
影と涼しさをもたらすことで
ブッダとしての悟りを導く助けとなった
菩提樹の恩恵を覚えておくためです。
ワット・プラパトムジェディーの回廊では11番

回廊内でちょっと形が似ている仏像が
あります。
12番 Walking in meditation
(ปางจงกรมแก้ว)
両手を身体の前におき、右足で立ち
左足のかかとをあげた、歩くことに
集中する姿勢。
62番 Looking back at the city of Vaisali
(ปางนาคาวโลก)
右手を身体の前において
右側に顔を向け、ヴァイサリーの村を
かえりみる姿勢。
下の写真の向かって左が12番、右が62番です。

月曜日の仏像
月曜日は、タイ語でワン・ジャン(วันจันทร์)。
仏像は、 Stopping the flood
(ปางห้ามสมุทร パーン・ハームサムッㇳ)
手は胸の前に同じ高さにあげて、
手のひらを前に向けて、阻止する姿勢。

ワット・プラパトムジェディーの回廊では23番

バンコクのワット・マハータートの
回廊にはこの形態の
仏像が祀られています。

または、Stopping his relatives
(ปางห้ามญาติ パーン・ハームヤーㇳ)を
月曜日の仏像としている
お寺もあるようです。
手を挙げ、胸の前で上に曲げ、
掌を前に向ける姿勢。
ワット・プラパトムジェディーの回廊には
ありませんでしたが、
ワット・ベンジャマポピットの
回廊にあるこの形態の仏像です。

長い仏伝がありますが、いずれも
農地のための水を巡る争いが起こり、
双方の親族の争いを抑止する姿勢です。
抑止・禁止の仏像
禁止を表わすタイ語はハーム(ห้าม)
です。
ワット・プラパトムジェディーの回廊内で
他に禁止、抑止や止める姿勢の仏像を
あげてみます。
ワット・プラパトムジェディーの回廊の27番
Stopping the diseases
(ปางห้ามพยาธิ パーン・ハームパヤーㇳ)
左手は身体に沿っておろし、
右手は肩と同じ高さまであげ、
手のひらを開いて前に向け、
人々を苦しめる疫病を止める姿勢。

ヴァイシャーリーの村で
大きな伝染病が起こり
大勢の人が亡くなった時に、
村を治めていたリッチャヴィ族の王が
ブッダを招来し、ブッダはアーナンダに
経を唱えさせ、聖水をまくように命じ、
のちに病はブッダの力で去って行ったというのが
由来です。
ワット・プラパトムジェディーの回廊の37番
Halting the sandalwood image
(ปางห้ามพระแก่นจันทน์ パーン・ハームプラゲンジャン)
右腕を身体の横にさげ、左手は胸まであげて
掌を前に向けて止める姿勢。

コーサラ国の王がブッダを敬愛し、
白檀でブッダの像を作り王宮に祀り、
(最初の仏像ともいわれる)
ブッダが王を訪ねると、ブッダが座るようにと
像が台座から浮いたのでブッダは浮いた像を止め、
王には仏像を造ることへの徳を説いたという
由来があるようです。
ワット・プラパトムジェディーの回廊の60番
Stopping Mara
(ปางห้ามมาร パーン・ハームマーン)
坐禅を組み、左手はひざの上におき、
右手は胸の前にあげて掌を前に向ける
禁止の姿勢。

ブッダが法について考え、
バニヤン樹の下に出てくると
三人の悪魔が様々な年齢の美しい女性に変身し、
寄ってきたがブッダは追い払ったというのが
由来です。
また、形態が似てはいますが、
止めているのではない仏像があります。
36番 Descent from Tavatimsa Heaven
(ปางเสด็จลงจากดาวดึงส์)
両手を胸の高さまであげて指を丸め、
掌を前に向ける姿勢。
ブッダが忉利天に3か月間昇り
母に説法して降りてくるところで、
指を丸めています。

続きます。
お読みいただきありがとうございました。
Luna(流転那)


